前回大会は、クマの目撃情報により中止となったトレイルランニング大会「第2回 Nordisk Mountain Trail in YAMANASHI CHUO」。開催時期を移し、2026年9月27日(日)、山梨県中央市で改めて開催された。前日まで雨天が続いたが、当日は天気も持ちこたえ、レース中には晴れ間も見られた。
デンマーク発のアウトドアブランドNordisk(ノルディスク)の名を冠したこの大会に、スウェーデン発のスポーツブランドCRAFT(クラフト)はゼッケンスポンサーとして参加した。505人のランナーのゼッケンにロゴを掲出した。大会当日の様子をレポートする。

2025年、クマの目撃情報による中止を経て、2026年に初開催
大会名は「第2回」だが、今回が初めての開催である。2025年11月22日開催予定だった第1回大会は、大会コース上でクマの目撃情報があり、参加者とスタッフの安全を最優先として中止が決定された。実行委員会は開催時期を移して準備を重ね、当日を迎えた。
大会のコンセプトは「中央市の新たな魅力を提案する」ことである。舞台は甲府盆地を見下ろす里山・たいら山で、公式サイトでは、豊かな自然の中を走り、眼下に広がる田園風景を眺めるコースと紹介されている。エントリーは8月20日に定員に達して締め切られ、当日はロング・ショート合わせて505人が完走した。
大会冠スポンサーのNordiskをはじめ、デンマークのクラフトビールブランドMikkeller(ミッケラー)、デンマークのウイスキー蒸留所Stauning(スタウニング)など、北欧ブランドが協賛に名を連ねた。同じく北欧・スウェーデン発のCRAFTは、ゼッケンスポンサーとして参加した。
RACE DATA
| 開催日 | 2026年9月27日(日) |
| ロング | 約25km・累積標高 約1,700m / 8:00スタート / 定員250名 / 参加費7,000円 / 高校生以上 / 完走でITRAポイント1 |
| ショート | 約12km・累積標高 約900m / 8:30スタート / 定員250名 / 参加費5,000円 / 中学生以上 |
| 会場 | YSKe-comシルクパーク(山梨県中央市関原1018) |
| 主催 | Nordisk Mountain Trail in YAMANASHI CHUO実行委員会 |
| 後援 | 中央市、株式会社ノルディスクジャパン、株式会社山梨中央銀行 |
雨上がりの朝、YSKe-comシルクパークに集うランナーたち
前日まで雨が降り続いたが、当日の天気は曇で大会は無事に決行となった。山にはまだ霧が残るなか、朝6時30分に会場のYSKe-comシルクパークで受付が始まり、CRAFTのロゴ入りゼッケンを付けたランナーが続々と集まった。
7時40分からの開会式では、株式会社ノルディスクジャパン 代表取締役の鷲崎広信氏が登壇し、あいさつした。その後、8時にロングコース、8時30分にショートコースが順にスタートし、ランナーは雨上がりのトレイルに入った。

大会の安全管理の一端を担ったのが、「最後尾」のビブスを付けたスイーパー2人である。スイーパーはレースの最後尾を走り、遅れたランナーのサポートや、コース上に取り残された人がいないかの確認を行う。ランナーが安心して山に入れるよう、尽力するスタッフの役割も様々だ。

甲府盆地を眼下に。たいら山のロング25km・ショート12kmコース
コースはロングとショートの2種類である。ロングは約25km・累積標高約1,700m、ショートは約12km・累積標高約900m。1kmあたりに換算すると、ロングは約68m、ショートは約75mを登る計算になり、距離以上に登り下りの手応えがあるコース設定となっている。
ロングコースは国際トレイルランニング協会(ITRA)の認定レースで、完走者にはITRAポイントが1ポイント付与される。ショートコースは中学生から参加が可能で、トレイルランニングに初めて挑戦する人にも選びやすい距離といえる。
当日は曇のためたいら山からの視界は良好とはいえなかったが、レースの途中では晴れ間ものぞき、甲府の自然がランナーの背中を力強く押した。
初めてのトレイルランニング大会でゼッケン1番、ロング優勝
この日いちばんのドラマといえるのが、CRAFTが招待したゲストランナーの岡山春紀さんの成績だろう。実は、今回がトレイルランニング大会への初出場だった。大会の顔ともいえるゼッケン1番を着けてロングコースに挑み、2時間25分49秒でフィニッシュ。ロングコースを完走した253人のうち1位となった。
平均ペースは1kmあたり5分50秒。累積標高約1,700mのコースを、このペースで走り切った。フィニッシュは10時26分ごろで、2位の近藤敬仁さん(2時間39分44秒)とは13分55秒差だった。
表彰式では晴れやかな笑顔でロングコース男子優勝の賞状とトロフィーを受け取った。初トレイル、ゼッケン1番、そしてロングコース優勝。この大会の記憶に刻まれる、鮮やかなデビュー戦となった。

| LONG WINNER | |
| 選手 | 岡山 春紀(ゼッケン1) |
| 記録 | 2:25:49(平均ペース 5分50秒/km) |
| 順位 | ロング男子 1位 |
| 2位との差 | 13分55秒(2位:近藤 敬仁 2:39:44) |
トレイルランニング大会は初出場だったが、岡山さんはウルトラマラソンで国際大会の実績を持つ。本人のInstagramによると、今回はプロ転向後の初戦にあたる。「ゴール後の達成感は、今までにない感覚」で「トレイルの楽しさを感じることができ、また走りたい!と強く思いました。」とコメントがあり、主戦場のウルトラマラソンにも生きる内容になったそうだ。

PROFILE 岡山 春紀(おかやま・はるき)熊本県出身のウルトラマラソンのプロランナー。鎮西高校を経て東京農業大学に進学したが、陸上部の入部基準に届かず、大学では一人で走り続けた。卒業後は食品スーパーのコモディイイダに一般社員として入社し、店の仕事を続けながら競技に取り組んだ。2022年のIAU 100km世界選手権で優勝。2024年の同選手権で銅メダル、2026年3月のIAU 50km世界選手権でアジア記録となる2時間50分44秒で8位、同年6月のコムラッズマラソン(南アフリカ)で日本人最上位の5位に入った。2026年8月末に会社を退職し、9月からプロのウルトラランナーとして活動している。100kmの世界記録更新を目指している。
賞状を手にした岡山さんの隣に並んだのは、大会ゲストとして出場した吉住友里さんである。吉住さんは大阪府藤井寺市出身、山梨県富士吉田市を拠点に活動するプロマウンテンランナー。陸上経験のないまま2007年に市民ランナーとして走り始め、理学療法士として働きながら競技を続け、2018年にプロとして独立した。富士登山競走(山頂コース)で8連覇を達成し、2021年「VK OPEN CHAMPIONSHIPS」年間チャンピオン、ステアクライミング世界選手権優勝(2022年・2023年)などの実績を持つ。2026年も中国・西双版納トレイルレース60Kで優勝している。

ショートコースを駆けた、3人のCRAFT招待ゲスト
CRAFTの招待ゲストは、ショートコースにも3人が出走した。約12km・累積標高約900mのコースを、山﨑謙吾さんは1時間45分02秒で走り切り、フィニッシュ後には充実感あふれる笑顔を見せてくれた。


ショートコースでは女子63人が完走した。ロングコースの女子完走者21人の3倍にあたり、ショートコースが女性ランナーにとっても挑戦しやすい距離であることがうかがえる。
| 氏名 | 種目 | タイム |
| 山﨑 謙吾 | ショート男子 | 1:45:02 |
| 坂本 亜樹 | ショート女子 | 1:47:23 |
| 石坂 有紗 | ショート女子 | 1:47:22 |
Xplor Pro NORDISK editionがゲストランナーの走りをサポート
ゲストランナーの着用シューズは、CRAFTとNordiskのコラボレーションギア【CRAFT×Nordisk】Xplor Pro NORDISK editionだった。イタリアの老舗タイヤメーカー Vittoria(ヴィットリア) との共同開発によるアウトソールが舗装路・砂利道・岩場を問わず高いトラクションを発揮。斜面や不整地での横滑りを防ぎ、抜群の安定性を実現するトレイルランナーにおすすめしたいシューズだ。
ゲストランナー達からは「クッション性とグリップ力が安定しとても走りやすかった」という感想コメントをいただいた。また、CRAFTブースで準備した試し履きシューズで完走したランナーからは「普段は後半足が疲れてくるが、今回は不思議と楽に完走することができた」といった声が上がった。
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“走る”と“自然で遊ぶ”を両立する一足。トレイルランナーはもちろん、キャンパーやアウトドア愛好家にも。
【CRAFT×Nordisk】Xplor Pro NORDISK edition
29,700円(税込)
ゴールの先に待っていたのは「青春のトマト焼そば」
参加者へのフィニッシュ後のふるまいは中央市商工会青年部が開発した「青春のトマト焼そば」である。中央市産の完熟トマトと、山梨のブランド甲州富士桜ポークを使った一皿で、「食べると元気になる青春の味」がコンセプト。
会場には、中央市特産のトマトをモチーフにしたトマトの妖精「とまチュウ」が登場し、来場者を出迎えた。

フィニッシュ後の会場では、各部門男女別に1〜3位の表彰が行われた。完走者には当日ダウンロードできるWEB完走証が用意され、参加賞にはNordiskのキャップが配られた。
会場には、CRAFTのフラッグを掲げたブースも設けられた。
CRAFTは今後もトレイルやロードを走るすべてのランナーをサポートし、ランニングカルチャーの発展に貢献していく。

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